みらいレポート | 進行中プロジェクトレポート

地域の高齢者の心と体の健康づくり・地域で支え合い・語り合い

2014.12.11

シルバーカフェは、地域の一人暮らしの高齢者を対象に、いつでも気軽に立ち寄れる支えあいの「寄合所」として、
松本市沢村、塩尻市広丘の2か所に開設されました。

「シルバーカフェ 沢村店」

今日は、松本市沢村店にお伺いしました。

入り口にはすてきな看板も掲げられ、窓には「各種相談を受け付けます」というディスプレイもされています。中に入るとオーナーの貞松さんが笑顔で迎えてくれました。
この日は講師をお迎えしての勉強会。内容は「相続」と「家族信託」です。
シルバーカフェを利用される年代の方にとっても、とても興味のあることなので皆さん、熱心に聞き入っています。

テーブルの上には、資料と共に、お茶とお菓子、煮物の小皿が並んでいます。ひととおりのお話の後、講師に質問する時間では、自分の場合はどうなるのか?といった具体的な相談も出ていました。

 

「いつでも気軽に立ち寄れるカフェとして」

シルバーカフェは勉強会ばかりではありません。平日は10時から17時まで、毎日営業していていつでも気軽に立ち寄れることも、魅力の一つです。

高齢化社会の中で、息子さん、娘さんが遠く離れて暮らしていたり、同居していても昼間は一人でいるお年寄りは、年々増えています。おしゃべりの相手もなく、さびしい思いをして、楽しみも少ないのが現状です。そんなお年寄りの不安や寂しさを少しでもなくし、元気でいてもらうために、地域の中で何らかの手段で支えることはできないか?という思いがあったそうです。

「生まれ育った地域への恩返しがしたい」

シルバーカフェ代表 松本政経塾塾長 株式会社成進社代表取締役 北原修さんにお話を伺いました。

-シルバーカフェはいつから始まったのですか?

北原:一人暮らしのお年寄りばかりでなく、地域で高齢者をどのように支えるか、は大変重要です。長野県の地域支えあい体制づくり事業として、2012年に誕生しました。

-どのような思いで始められたのでしょうか?

北原:数年前から「松本政経塾」という勉強会を行っています。
様々な分野の方が集まり、地域で困っていることなどを話し合ううちに、待ったなしの高齢者問題が上がりました。地方では、一人暮らしや高齢者同士の世帯が増えています。実際、私もこの地に生まれ育ったのですが、今は本当に隣近所の関係が薄れています。一人暮らしの父も心配な状況で、実家であるこの場所を利用して、何か恩返しができないかと、考えました。

 

「開店記念品のおいしいかぼちゃが残って・・・」

もちろん、最初は「シルバーカフェ」って何?というところから始めました。チラシを作って、近隣の一軒一軒、ポストに入れて周ったり、オープンイベントには朝日村のおいしいかぼちゃを、無料でお配りしようと準備したのですが、結局大量のかぼちゃが残ってしまいました。これは悲しかったですね。立ち上げから参加されている利用者の方にも協力して頂き、口コミで広めてもらうなど、なんでもやりました。

「人気のイベントも、ためになる勉強会もたくさん」

北原:今はおかげさまで、毎日のように利用したくださる方も、遠くから来て下さる方も増えています。
イベント的に企画している、歌声カフェや、パソコン、簡単な英会話教室などを楽しみにしている方もいます。
また、先ほどのように相続対策、エンディングノートの書き方、認知症予防などの勉強会も定期的に開催しています。
今、力を入れているのは「特殊詐欺」を防止することですね。独自の勉強会を開いたり、啓発のためにシールやハガキを作って、
お年寄りにお配りしています。

「みなさん笑顔でお話が弾みます。」

今日、この勉強会に参加された方にも、お話をうかがいました。
―ここに来ると、誰かと話ができるし、勉強もできていいです。
―お互いが気になるようになって、来てない日などは、「どうしたのかね?」と心配もします。何十年ぶりにここで再開した人もいて、また、仲良くしています。
ーとにかく、オーナーの人柄が良いですね。安心して来られます。いつでもいてくれて、話を聞いてくれて、それがなによりじゃないですか。

「オーナーの笑顔が、シルバーカフェの笑顔を運ぶ。」

オーナーの貞松さんは、先ほどより皆さんにお茶を配ったり、講師のお見送りをしたり、忙しく働いています。
店内には、今月のイベントスケジュールが貼られ、いろんなこだわりグッズも販売されています。テーブルには秋らしいコスモスも飾られて、居心地の良いリビングのようです。毎日切り盛りしている貞松さんは、どんな方なのでしょう?

-シルバーカフェのやりがいはなんですか?

貞松:私は、人のお話を聞くのが好きなんです。ふらっと来て頂いて、お茶を飲みながら、お話ししていかれる、そんな場所ですね。利用している方同志がお話しているのを聞くのも楽しいです。
そんな気の利いたことでなくても、みんなで話すと盛り上がります。
先日はどなたかが持ってきたゴーヤー一本から、料理法はどうする、こうしたらおいしかった、育て方はどうだった?と話が広がって知識が増えました。私の方が勉強になることが多いです。
ここで知り合った同志が、得意な分野での先生になったり、教えてもらえる生徒になったりと、一人でいるより数倍に広がりますね。

 

-そんな中でのご苦労はありますか?

北原:シルバーカフェは、毎回300円の利用料金を頂いています。
オーナーの人件費は利用料金と、賛同して頂く企業さんからの寄付金で支払っています。しかしながら、貞松さんが一か月フルタイムで働くのに、十分な金額ではありません。利用されている方は、勉強会もイベントも、楽しんでいますが、何より、この場所があること、貞松さんがいてくれることが一番なんです。こういったコミュニティカフェは、これから、もっともっと必要になってくると思っています。

請け負って活動する町会の役員ではなく、企業が仕掛けるサービスでもない、気さくなオーナーのいる地域の寄合所として、皆さんの安心を守っていきたいと思います。ぜひ、一口でもご支援頂けたら、ありがたいです。

地域で見守り、支え合う、今日も笑い声が響く「シルバーカフェ」
すてきな笑顔のオーナーと、生まれ育った地域に恩返しをしたい代表と、仲間みんなで支えているシルバーカフェを応援してください。

→インタビューMovieはこちら

  • 1人暮らしの高齢者の心と体の健康づくり
    松本市沢村と塩尻市広丘の2拠点で開設しています。今後もっとシルバーカフェを誕生させ、地域で地域の高齢者を支える活動に邁進していきたいと思います。
    そして、公助(国からの助け)よりも、共助(地域で支える)活動を通して、安心で本当に幸せな生活を送っていただけるように努めていきます。

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  • シルバーカフェ 沢村店
    長野県の地域支え合い体制づくり事業の一環として、高齢者のための「寄り合い所」を作り、悩みを語ったり、笑いを提供したりしながら、高齢者の生活の充実を図っています。長野県松本市沢村3-1-8
    TEL:0263-87-7816
    http://www.silvercafe.jpn.com/

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