7月25日(金)、松本合同庁舎にて「居場所の実態アンケートから、これからの居場所の価値について考える会」ワークショップが開催されました!
信州こどもカフェをはじめ、地域で子どもたちや多世代が集う「居場所」の活動が広がる中、その価値を改めて見つめ直し、未来へつなぐための大切な一歩となる会となりました。
ワークショップは、まず長野県みらい基金からのご挨拶と、今回の会の趣旨説明からスタートしました。
「2023年度休眠預金活用事業」の一環として行われた今回のワークショップは、県内の居場所が子どもたちや地域にもたらす社会的インパクトを可視化し、その運営課題を共有すること、そして居場所の意義を伝える具体的なエピソードを集めることが大きな目的です。
令和6年度の実態調査では、居場所に参加した子どもの約6割にポジティブな変化が見られたという嬉しい報告がありました。子どもたちが笑顔で過ごし、年齢を超えたつながりが地域で生まれる…そんな「居場所」の価値が数字でも示されたことは、参加された皆さんの活動への大きな励みになったことと思います。
しかし、同時に運営のマンパワー不足や資金・物資の課題も浮き彫りになりました。参加者の皆さんも、日々の運営で感じているであろうリアルな課題に、真剣な表情で耳を傾けていました。
報告の後は、いよいよワークショップの時間です!
参加者の皆さんはグループに分かれ、それぞれの居場所で実際にあった「子どもたちや居場所に関わる人たち、地域に起きている『変化』」について、日頃目にしているエピソードを共有しました。
参加者からは、以下のような心温まるエピソードが次々と語られました。
◆「未就園児と保護者の居場所であるカフェに、ある親子が毎回参加してくださっています。お子さんは回を重ねるごとに他の子とも関わるようになり、今ではまるでスタッフのように、他の子の面倒を見てくれるようになりました。平日開催にもかかわらず、お父様が有給を取って家族で来てくださるほど、ご家族にとって楽しみな場所になっているそうです。」
◆「私たちのカフェには、松本大学の学生さんや高校生が来てくれます。子どもに近い年齢の人が入ることで、子どもたちがとても楽しく笑顔で遊ぶようになり、自然と人と人とのつながりが生まれてきました。最初は遠慮していた子どもたちも、若いお兄さんお姉さんが関わってくれることで、『こんなこともやっていいんだよ』ということが伝わり、だんだんと居場所として感じてくれるようになったと感じています。」
◆「不登校だった小学6年生の女の子が、学習支援の居場所で様々な話を聞く中で、小規模の中学校の方が人間関係が難しくないかもしれない、という話になりました。実際にそのまま大規模な中学校に進学するのではなく、小規模の中学に進学したところ、通学できるようになり、成績も上位に。今では進学校も目指せる状況になったと聞いています。」
◆ある参加者の方からは、「子どもは色々なところに行っているので、居場所の効果で変わったかどうかは一概には言えないかもしれない。でも、居場所がある、ということがそれだけで価値なのではないか。自分らしくいられることが価値であり、変化がなくてもいいのではないか」という、居場所の存在そのものの価値を深く問いかける発言もありました。
具体的なエピソードを通して、居場所が地域にもたらすかけがえのない価値が、より鮮明に浮き彫りになりました。参加者の皆さんの真剣な眼差しと、時折見せる笑顔が印象的で、居場所への熱い想いが会場全体に満ち溢れていました。
今回のワークショップで集められたエピソードや運営者の皆さんの貴重なご意見は、長野県みらい基金が設立を検討している「居場所を応援する基金」や、県内の企業・団体、個人に協力を呼びかけるための「白書」作成の大きな力となります。
長野県みらい基金では、今回のようなワークショップを県内10地域で開催していく予定です。
「地域で子どもの居場所づくりに取り組んでいるけれど、課題を共有できる仲間が欲しい」
「地域の居場所づくり活動を応援したいけれど、何から始めればいいか分からない」
「私たちの事業を伴走支援してくれている支援者として、もっと深く関わりたい」
そんな風に感じている方は、ぜひ今後の開催にご注目ください。
一緒に「居場所」の価値を育み、地域を豊かにしていく仲間を心からお待ちしています!
詳細や今後の開催情報については、長野県みらい基金のウェブサイトやSNSでご確認ください。
公益財団法人長野県みらい基金(所在地:長野県長野市南長野幅下692-2、理事長:高橋潤)は、この度、県内のこども食堂をはじめとするこどもの居場所(以下、居場所)の運営実態と、こどもや保護者の利用状況に関する詳細なアンケート調査の結果を公表いたしました。
本調査は、当財団が2023年度休眠預金活用事業通常枠「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」の実行団体として採択され、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの伴走支援を受けながら、さらに長野県次世代サポート課に協力をいただき、居場所活動が地域社会に多岐にわたる価値を生み出している実態を明らかにするために実施しました。
本調査は、長野県内の居場所運営者、活動協力者、そしてこどもや保護者からの計536件の回答を集約したものです。
1.こどもたちの成長を支える「安心できる居場所」の存在
2.食事提供に限らない多面的な支援
3.多様な支援体制
4.居場所参加前後でイメージが変化し、こどもと保護者の孤立を防ぐ場へ
本調査では、実際に居場所を利用している保護者の皆様から、活動がもたらす具体的な効果について貴重な声が多数寄せられました。
居場所参加前のイメージでは、「経済的な負担の軽減」や「行きにくい/参加しづらい」という認識が多かったのに対し、参加後は「誰でも気軽に利用できる場所」、「地域の人と交流できる場所」といったイメージに大きく変化したことが分かりました。このイメージの変化は、居場所が持つ多面的な価値が実際に利用されることで理解され、地域に開かれた場として受け入れられていることを示しています。
また、居場所による効果として、保護者の7割以上が居場所で「楽しい時間を過ごせている」「ほっとできる場所になっている」と感じており、居場所がこどもたちにとって「様々な体験の場になっている」と感じていることがわかりました。これらの声は、こどもの居場所が単に食事や学習の場を提供するだけでなく、保護者の孤立を防ぎ、子育ての負担を軽減し、家族全体の笑顔と安心を育む、かけがえのない存在であることを示しています。
当財団は、これらの調査結果を受け、長野県内のすべての子どもたちが、その環境に関わらず、温かい食事と安心できる居場所で健やかに育つことができる社会を実現するため、『信州こどもの居場所応援基金(仮称)』の設立を目指します 。
この基金設立に向け、当財団は県内各地でワークショップを開催いたします 。このワークショップでは、居場所活動の実践者の皆様と共に「これからどのような居場所を地域で守り、増やしていくか?」を、そして、活動を応援したいと考える企業や個人の皆様と共に「どうすれば地域の活動を継続的に支えることができるか?」を、未来への希望を胸に具体的に議論し、行動へと繋げる機会を創出します 。
こどもたちの育ちを支える活動に、地域総動員で関わり合いながら応援していく。こうしたエコシステムこそが未来の地域づくりにつながっていくと考えております 。
本基金設立へのご理解と、未来を共創するパートナーとしてのご参画を心よりお願い申し上げます。
本調査の報告書については、下記よりご覧ください。
こちらの事業は、2023年度休眠預金活用事業通常枠「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」の実行団体として採択され、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの伴走支援を受けながら、2027年3月までの3年間取り組んでいる事業です。
本事業の詳細はこちらからご覧ください。
https://musubie.org/pickupproject/kyumin2023/
〈お問い合わせ先〉
公益財団法人長野県みらい基金 松本事務所
(理事長)髙橋 (担当)小松 芦澤
〒390-0852 松本市大字島立1020 長野県松本合同庁舎2階
電話 0263-50-5535(内線2814) FAX 0263-50-6561
E-mail matsumoto@mirai-kikin.or.jp
公益財団法人長野県みらい基金では、子育てや居場所づくり、こども食堂等の活動に関心のある方々を対象に、人口減少問題や地域で支える子育てについて考える講演会を開催いたします。
本講演会は人口減少対策や地域での居場所づくりをテーマに、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠氏をお迎えして開催いたします。
12/19(木)には佐久浅間会館にて、12/20(金)午前は松本合同庁舎、同日午後には上伊那合同庁舎にて講演会が開催されます。
こちらはそれぞれの会場に関するご連絡になりますので、ご参加される皆様はお時間あるときにご確認ください。
まだまだお申込も受け付けております!下記のURLからお願いします!
↓↓↓
https://forms.gle/XgJzznMTA4zBYMPx5
地域の子育て環境をどのように改善し、こどもたちが安心して成長できる社会を築いていくかについて、皆様と共に考える場としたいと考えています。信州の未来を共に築くために、ぜひご参加ください。
講師:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長 湯浅 誠 氏
1.11/22(金)16:30~18:00 長野市勤労者女性会館しなのき
長野県知事と湯浅氏の対談形式
2.12/19(木)13:30~15:00 浅間会館
3.12/20(金)10:00~11:30 松本合同庁舎
4.12/20(金)14:00~15:30 伊那合同庁舎
公益財団法人長野県みらい基金では、子育てや居場所づくり、こども食堂等の活動に関心のある方々を対象に、人口減少問題や地域で支える子育てについて考える講演会を開催いたします。
本講演会は人口減少対策や地域での居場所づくりをテーマに、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長の湯浅誠氏を県内4か所にお迎えして開催いたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
※湯浅誠氏による講演会の後、長野県知事 阿部守一氏も交えた対談を実施します。(北信地域のみ)
この事業は、こども食堂のような地域の居場所の価値を可視化することを通じて、応援してくれる地元の個人・団体・企業をより一層拡大し、資源の地域内循環を通じて地域のささえあいを実現していこうと、休眠預金を活用させていただきながら3年間取り組んでいく事業になります!
今回は7月25日(木)に東京で開催された「事業共有会」について、皆さんに報告します。
【お知らせ】2023年度 休眠預金事業(通常枠) 「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」採択結果発表
この事業共有会は、4月から動き始めた愛知・山口・長野の皆さんが集まり、それぞれの地域での実践や工夫などを共有することで今後のアクションに活用していくために開催されました。
特にこの1年目は、地域の居場所がどのようなインパクト・価値を生み出しているのか?についてアンケートやインタビューなどの調査を通じて見える化していくことがメインとなっていて、具体的にどのようなプロセスで明らかにしていくのか?を皆さんと一緒に考える機会になりました。
日時:2024年7月25日(木)13:30~17:50
会場: ビジョンセンター品川 206号室(東京都港区高輪4丁目10−8 京急第7ビル 2F)
参加者:
アイスブレイクとしてそれぞれ自己紹介をした後、各実行団体からそれぞれの事業の進捗度合いや4月からの間で気づいたことや工夫してきた点などについて共有する時間になりました。
それぞれのシェアを聞いたうえでポストイットに書いたコメントや質問を貼りだしていく中で、この事業における居場所の定義やインパクトの考え方、それらをどのようにして見える化していくのか?その価値をどのようにして地域で支えていくのか?限られた資源をどう地域で循環していくのか?など、この事業に関わるうえでとても大事なことについて改めて考え直す機会になったと思います。
愛知・山口・長野とそれぞれの地域に合わせたオーダーメイドな取り組みはもちろん必要ですが、こうして皆さんで考える機会を得ることで、それぞれの地域の状況やリソースが異なる中でも「ここはどの地域においても絶対に外しちゃいけないポイントだよね」という部分も少しずつですが見えてきた気がします。
自分たちの居場所は自分たちでつくる、守っていく。それを支えるためには何が必要なのか?をこれから信州の皆さんとも一緒に考えていく場をつくっていきます。
また8月31日(土)には皆様にもご参加いただける講演会を企画しています!
ぜひご関心ある方はチェックしてみてください!
ご質問等は、以下の連絡先までお願いします。
公益財団法人長野県みらい基金 松本事務所
〒390-0852 長野県松本市島立1020 松本合同庁舎2階
TEL 0263-50-5535
E-Mail matsumoto@mirai-kikin.or.jp(営業時間:平日8:30~17:15 定休日:土・日・祝日)