みらいレポート | 進行中プロジェクトレポート

事業指定助成プログラム「イベントや催しでリユース食器を広めよう」
「リユース」で一歩進んだエコを考える-NPO法人みどりの市民

2014.10.14

「イベントや催しでリユース食器を広めよう」

「イベントや催しでリユース食器を広めよう」は、イベントなどで使われるプラスチックや紙製の使い捨て容器に替えて、繰り返し使える「リユース食器」の利用を推進するプロジェクトです。
まだあまり馴染みのない「リユース食器」の普及活動に取り組むNPO法人みどりの市民の事務局長・渡辺ヒデ子さんにお話を伺いました。

リサイクルではなく、「リユース」を広めていきたいと思っています。

写真:イベントや催しでリユース食器を広めよう

-リユース食器というのは、どういうものですか?

お祭りやコンサート、スポーツ観戦といったイベント会場では使い捨て容器の利用が主流です。イベントが終わると、大量のごみが出ます。その状況を改善するために、リユース食器は生まれました。
リユース食器はプラスチック製で、軽くて丈夫で耐熱性もあります。使ったら洗って、また使う。丁寧に利用すれば100回以上の使用が可能です。カップ、皿、お椀、どんぶり、箸など種類も豊富で、最近はカラフルなものもあります。

-再利用というと、洗浄が大変な気もしますが…。

確かに1回限りだと、洗浄や運搬などの面で大変ですが、繰り返し使用することによって、CO2の排出量を5分の1に、エネルギー消費量を3分の1に減らすなど、環境負荷を大幅に低減させることができます。
リユースカップを例に挙げると、水の消費量やCO2の排出量は2.7回以上、エネルギー消費量は6.3回以上のリユースで紙コップの負荷を下回ります。

-数回で使い捨て容器よりも環境負荷が減らせるんですね。

写真:リユース食器をイベントに使おう

リユース食器は既にさまざまな場所で使われています。日産スタジアムや等々力競技場などのサッカー場や、「ap bank fes」などの音楽イベント、京都の祇園祭など…長野県内でも、9月に松本で開催された野外イベント「空と大地の祭典」(アースデイ信州)、長野商業高等学校の「長商デパート」、長野市立長野高等学校の文化祭など、徐々に広がってきています。

-さまざまなイベントで使われるようになるといいですね。

少しでも多くのイベントで使ってもらうことはもちろん大切なのですが、使うだけではなくて環境教育や環境学習のきっかけにしていければと思っています。
環境配慮の3Rは「減らす(Reduce)」「繰り返し使う(Reuse)」「再資源化する(Recycle)」なのですが、この3つは横並びではなく優先順です。まずごみ自体を出さないように努めて、次は再使用。日本には「リサイクルショップ」がたくさんありますが、本来は「リユース」の場ですよね。ごみ問題では、リサイクルよりリユースのほうが優先度が高い。もっとリユースを広めていきたいです。

「リユース食器」をきっかけに、循環できる仕組み作りをしていければ。

-みどりの市民の活動について教えてください。

みどりの市民は、環境教育・環境学習を大きな柱に、持続可能な社会づくりを学ぶ場を提供しています。もともとは長野市の環境ビジョンを達成するため設立した「ながの環境パートナーシップ会議」の有志が2002年に準備会を立ち上げ、翌年5月にNPOの認定を受けました。最初に取り組んだのは「ながの環境カレッジ」です。環境学習のアドバイザーを育成する講座でしたが、そのころは今ほど環境への意識も高くなかったので、「なぜそんなに難しいことを考えなくてはいけないのか」という声をいただくこともありました。

写真:NPO法人みどりの市民事務局長・渡辺ヒデ子さん

-今ほど「エコ」が一般的ではなかったころから、活動されていたのですね。

環境について考えるきっかけになればと、「省エネコンテスト」の実施や生ごみ減量アドバイザーの養成、グリーン・コンシューマー活動など、さまざまなことに取り組んでいます。主婦を中心に、暮らしの中で気軽に実践できる知恵や技を学ぶ「エコサロン」も年に数回開いています。そこで、リサイクルの現場を見学に行くうちに、リユース食器に興味を持ちました。
実は、リユースというのは日本では江戸時代からあるんですよ。今、身近なもので言えば、リターナル瓶(一升瓶やビール瓶、牛乳瓶など)もそうです。今はアルミ缶や紙パックが多く出回り、それらを回収してリサイクルしてはいますが、原料まで戻して作り直すよりは、そのまま使うリユースの方がいい。リターナル瓶も風前のともしびという感じですが、リユースをなくしたくないし、もう一度見直していきたいですね。

-これからはどのような取り組みを?

環境学習において大切なのは、「循環」ということです。ごみを減らすことだけに力を入れるのではなく、循環させて、無理なく、持続可能な未来の実現に向けて行動しなければなりません。環境問題は食ともリンクしていて、エコ調理や野菜作り、食育にもつながっていきます。リユース食器を使うもう一つのメリットとして、食べ残しが減るということも言われています。使い捨て容器だと食べ物も一緒に捨てることにあまり抵抗は感じませんが、リユース食器だと食器を返さなければならないので、食べて返そうという意識付けになります。ごみを減らすということだけではなく、食べ物を大事にするという面でもアピールしていければと思っています。

これまで主流となっていた「リサイクル」に変わって「リユース」が中心になる世の中が、やってくる-リユース食器はそのキーポイントになるかもしれません。「リサイクル」よりも「リユース」。みどりの市民のプロジェクトを支援して、未来への一歩を共に踏み出しませんか?

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  • イベントや催しでリユース食器を広めよう

    イベントや催しでリユース食器を広めよう
    イベントなどで飲食に用いられているプラスチックや紙製の「使い捨て容器」に替えて、繰り返し洗って使用する「リユース食器」を普及させ、利用されることを目的として実施するプロジェクト。

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  • NPO法人みどりの市民

    NPO法人みどりの市民
    持続可能な社会をつくり、心豊かな自然と地域を子どもたちに残すことを目指して活動している。

    長野県長野市南県町685-2
    TEL.026-235-5113
    http://midori-c.com/

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