こんな事業です

現代社会は人との繋がりが希薄になり、個々に分断され、格差が広がっています。かつてあった地域共同体が衰退し、子どもたちには家庭や学校以外で社会と出会う場所がありません。従来の部活動においては、効率主義と成果主義によって、大会等で成績を挙げることが求められ、子どもたちがのびのびと遊ぶ機会が失われています。このことは豊かな感性や創造性、人間性を育む機会を奪い、社会全体の活力低下にも繋がっていると考えられます。
わたしたちは、子どもたちの遊びや自由な発想に基づく活動を通して、地域の多様な人と出会い交流し、学び、共に育っていく場を社会に担保することが必要と考え「うえだイロイロ倶楽部」という活動を2021年から実施しています。本事業は、障害の有無や国籍、年齢、性別、所属に関わらない「多様なわたし・あなた・だれかを尊重した創造の場」を形創ります。
これを実現します

地域に暮らす6〜18歳の子ども若者が、商店街にある民間劇場施設を中心に、近隣の映画館や福祉施設等と連携しながらクラブ活動を行います。「やりたいことを、やりたいひとと、やりたいようにやってみる」という意思の基にオリジナルな活動を創り出し、子どもたちの創造性を育みます。
この活動には近隣の高校生や大学生から社会経験をもつ大人まで多種多様な地域住民がボランティアとして参加します。「支える」「支えられる」という固定化した関係性を取払い、子どもと大人が互いに影響し合いながら活動することで、難しさや衝突も含んだ豊かな人間関係を育んでいきます。
本事業で得られる感動や安らぎ、生きていることの実感は、個人の生活を豊かにし、希薄化した地域社会の繋がりを再構築し、地域文化の継承に繋がると考えています。
具体的な取り組み内容は?

〈いつもの活動〉
その日に集まったメンバーとボランティアも含めて「やってみたい」も「やりたくない」も大切にしながら、「どんな活動」を「だれとするか」を決め、子どもも大人も一緒に活動に取り組みます。活動の最後にはそれぞれの部活動でやったことを全員の前で発表する時間を設けています。1回の活動で4〜5種類ほどの活動を実施しています。犀の角を拠点に月1回、17時〜19時に実施。活動によって街にお出かけします。
〈スペシャルデイ〉
舞台の裏側が見れたり、地域のお店や活動のお手伝いができたり、トップアーティストに出会えたり!
皆さんの希望や、新しい出会いを大切にして、いつ何をやるかはこれから決まります。活動日や場所は順次お知らせし、参加は希望者のみです。
団体からのメッセージ

「犀の角」は、子ども若者たちにとって、“自分の外側にあるものと出会う場所”です。劇場としての非日常的な空間が広がる一方、カフェやゲストハウスではアーティストやバックパッカーといった多様な人々が集い、家庭や学校では出会えない価値観や考え方に触れることができます。
「うえだイロイロ倶楽部」の活動もその一つです。異なる背景を持つ仲間と協力しながら何らかの活動に取り組むことは、それが無二の表現行為であり、集団創作です。地方都市上田で小劇場を街に開く活動をしている私たちにとって、文化芸術を担う人材の育成は緊急の課題でもあります。
子ども若者たちとともに、未知の世界、地域の歴史や文化、多様な人々と出会い交流し創造することを通して、芸術文化が様々な分野とゆるやかに協働する社会を、また誰もがのびのびと生きやすい社会を形造る礎にしたいと願っています。
応援よろしくお願いします

いつからか放課後の校庭や公園から子ども達の遊ぶ声が聞こえる機会が少なくなりました。子ども若者がのびのびと自由に遊び、時を過ごすことを許容できない社会になってしまいました。このことは社会全体の問題として緊急に取り組むべきことではないでしょうか。
コロナ後の社会において、<劇場>は芸術文化の専門施設としてのみならず、様々な人の<居場所>や<避難所>としての役割を担えることを実感しています。
子ども若者達が街中の劇場で安心して時間を過ごすなかで、世界が多様であることを身近に体験することは子ども若者が生きていく未来を描くための材料につながることでしょう。
ご一緒に、こどもの遊ぶ声に溢れた地域社会を取り戻しませんか?
応援をどうぞよろしくお願いいたします!