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【長野県こどもの居場所実態調査】こどもの居場所半数以上が ボランティア・資金不足に直面 ― 物価高騰で食材費負担も深刻化

公益財団法人長野県みらい基金(所在地:長野県長野市南長野幅下692-2、理事長:高橋潤)は、この度、県内のこども食堂をはじめとするこどもの居場所(以下、居場所)の運営実態と、こどもや保護者の利用状況に関する詳細なアンケート調査の結果を公表いたしました。
本調査は、当財団が2023年度休眠預金活用事業通常枠「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」の実行団体として採択され、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの伴走支援を受けながら、さらに長野県次世代サポート課に協力をいただき、居場所活動が地域社会に多岐にわたる価値を生み出している実態を明らかにするために実施しました。

【調査で判明】こどもの居場所活動の価値と実態

本調査は、長野県内の居場所運営者、活動協力者、そしてこどもや保護者からの計536件の回答を集約したものです。

1.こどもたちの成長を支える「安心できる居場所」の存在

  • 1回の開催で平均7人が利用し、中には100名を超える活動も8.6%ありました 。
  • 実施回数では「12回以上24回未満(月に1・2回)」が3%で最も高く、希望回数では「24回以上52回未満(2週に1回~週に1回)」が38.4%で最も高くなりました。
  • 実施回数が希望回数より少ない居場所の運営者に課題を尋ねたところ、「ボランティアが不足している(60.3%)」「食材費の負担が大きい(50.0%)」「運営資金が不足している(48.3%)」が挙げられました

2.食事提供に限らない多面的な支援

  • 活動内容としては「食事提供」が87.1%で最も高いものの、次いで「多世代交流」が71.2%、「学習支援」が53.2%となっています 。
  • 平均11.2人のボランティアが活動に携わる中で、こどもたちは学び、遊び、多様な経験を通じて社会性を育み、自立心を育んでいます 。これは、こどもたちの健やかな成長に欠かせない、多面的な支援の場となっています。

3.多様な支援体制

  • 調査では、居場所の運営主体は「任意団体」と「個人」が合わせて6割以上を占めており、法人格(NPO法人・社団法人・社会福祉法人)を持って活動している居場所は約2割となっています 。
  • 居場所への参加条件の設定状況については、設けていない居場所が0%、設けている居場所が15.8%となっており、誰でも来られるように入口のハードルを低くしている活動が多くなっています。

4.居場所参加前後でイメージが変化し、こどもと保護者の孤立を防ぐ場へ

本調査では、実際に居場所を利用している保護者の皆様から、活動がもたらす具体的な効果について貴重な声が多数寄せられました。

居場所参加前のイメージでは、「経済的な負担の軽減」や「行きにくい/参加しづらい」という認識が多かったのに対し、参加後は「誰でも気軽に利用できる場所」、「地域の人と交流できる場所」といったイメージに大きく変化したことが分かりました。このイメージの変化は、居場所が持つ多面的な価値が実際に利用されることで理解され、地域に開かれた場として受け入れられていることを示しています。

また、居場所による効果として、保護者の7割以上が居場所で「楽しい時間を過ごせている」「ほっとできる場所になっている」と感じており、居場所がこどもたちにとって「様々な体験の場になっている」と感じていることがわかりました。これらの声は、こどもの居場所が単に食事や学習の場を提供するだけでなく、保護者の孤立を防ぎ、子育ての負担を軽減し、家族全体の笑顔と安心を育む、かけがえのない存在であることを示しています。

 

『信州こどもの居場所応援基金(仮称)』が目指すもの

当財団は、これらの調査結果を受け、長野県内のすべての子どもたちが、その環境に関わらず、温かい食事と安心できる居場所で健やかに育つことができる社会を実現するため、『信州こどもの居場所応援基金(仮称)』の設立を目指します 。

この基金設立に向け、当財団は県内各地でワークショップを開催いたします 。このワークショップでは、居場所活動の実践者の皆様と共に「これからどのような居場所を地域で守り、増やしていくか?」を、そして、活動を応援したいと考える企業や個人の皆様と共に「どうすれば地域の活動を継続的に支えることができるか?」を、未来への希望を胸に具体的に議論し、行動へと繋げる機会を創出します 。

こどもたちの育ちを支える活動に、地域総動員で関わり合いながら応援していく。こうしたエコシステムこそが未来の地域づくりにつながっていくと考えております 。

本基金設立へのご理解と、未来を共創するパートナーとしてのご参画を心よりお願い申し上げます。

 

【調査資料について】

本調査の報告書については、下記よりご覧ください。

こども食堂や多世代が集う居場所に関するアンケート調査報告書
こども食堂や多世代が集う居場所に関するアンケート調査報告書 こども食堂や多世代が集う居場所に関する報告書(概要版)

 

【本事業について】

こちらの事業は、2023年度休眠預金活用事業通常枠「居場所のインパクト可視化を通じた地域活性化事業-居場所と地域のエコシステムの同時強化-」の実行団体として採択され、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの伴走支援を受けながら、2027年3月までの3年間取り組んでいる事業です。
本事業の詳細はこちらからご覧ください。
https://musubie.org/pickupproject/kyumin2023/

 

〈お問い合わせ先〉
公益財団法人長野県みらい基金 松本事務所
(理事長)髙橋  (担当)小松 芦澤
〒390-0852 松本市大字島立1020 長野県松本合同庁舎2階
電話 0263-50-5535(内線2814) FAX 0263-50-6561
E-mail matsumoto@mirai-kikin.or.jp